高齢者の権利を守ります(権利擁護)

高齢者のみなさんが持つさまざまな権利を守り、安心して暮らせるようにサポートします。成年後見制度の活用支援や、消費者被害の相談・予防啓発、虐待の早期発見・防止を進めています。

虐待の相談

高齢者虐待とは?
高齢者虐待とは、高齢者(65歳以上)が他者からの不当な扱いにより、権利を侵害されたり、生命・健康・金銭が損なわれたりすることです。
高齢者虐待にあたる行為
高齢者(65歳以上)を世話する家族、親族、同居人(養護者)または、介護施設従事者などによる高齢者虐待は、次の5種類に分類されています。
①身体的虐待 高齢者の身体に外傷が生じ、または生じる恐れのある暴行を加えること。
    (具体例)
  • 叩く、つねる、殴る、蹴る、やけどを負わせる、ベッドに縛りつける、物を投げつける など
②心理的虐待 高齢者に対する著しい暴言や著しく拒絶的な対応をする。その他、高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
    (具体例)
  • 怒鳴る、ののしる、悪口を言う、無視する、子どものように接する、排泄などの失敗に対して高齢者に恥をかかせる など
③介護放棄
(ネグレクト)
養護者が、高齢者の介護や世話をしないことにより、高齢者が衰弱したり病気になったりする状況を放置していること。また、他の人による虐待を放置するなど、養護を著しく怠ること。
    (具体例)
  • 空腹、脱水、栄養失調のままにする
  • オムツを換えずに放置する、劣悪な状態や住環境の中に放置する など
④性的虐待 高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者に対してわいせつな行為をさせること。
    (具体例)
  • 人前で排泄行為をさせたり、オムツを換えたりする
  • 排泄の失敗に対して懲罰的に下半身を裸にして放置する
  • 性的行為を強要する など
⑤経済的虐待 高齢者の財産や金銭を勝手に使ったり、高齢者本人の意思・利益に反して処分したりすること。本人の財産が本人に必要なことに使われていな状況であること。
    (具体例)
  • 必要な金銭を渡さない、使わせない
  • 高齢者の不動産、年金、預貯金などを本人の意思・利益に反して利用する など
このほかに、高齢者自身の生活意欲や判断力が低下し、自分に必要な生活行為や家事、介護サービスを使用しない等によって、自分自身の生命を危険な状況におく「自己放棄(セルフネグレクト)」と呼ばれる状態の方もいます。
虐待に気づいた、「虐待かもしれない」と思ったら…
高齢者が虐待されていることに気づいたり、「虐待かもしれない」と思った場合は、福祉課(0574-66-2406)や地域包括支援センター(0574-25-7575)に相談・連絡をお願いします。特に、生命や身体に重大な危険がある場合、通報は義務とされています。虐待を受けている高齢者本人が届け出ることもできます。
虐待の早期発見・予防
養護者による虐待が起こる背景には、認知症などの高齢者の症状、介護者の介護疲れなどからくるストレス、近隣との付き合いが少なく地域から孤立している等の様々な要因が絡み合っています。
「高齢者虐待」は、虐待している人に自覚があるとは限りません。高齢者が危険な状態に陥っていても、虐待を受けているという自覚がないことが多いのも特徴です。また、「高齢者のために」と思ってやっていることが、虐待に繋がっていることもあります。

高齢者虐待を防ぐには、第三者が出来るだけ早く介入することでエスカレートすることを防いだり、介護負担を軽減できるように様々なサービスや制度を活用したりする方法があります。
どんな人でもいつか高齢者になる以上、身近な問題として高齢者虐待を防ぎ、地域全体で支え合っていきましょう。
介護しているご家族などのみなさんへ
一人で、または家族だけで介護をがんばり過ぎていませんか?
介護をする人は、これまで経験したことのない「介護」という役割を担い、思い通りにいかないことに戸惑いやイライラ、疲労を感じることもあるでしょう。
長期にわたる介護を家族だけでがんばり過ぎて、心身ともに疲れ、追い詰められてしまう人は少なくありません。追い詰められることで、虐待が発生してしまうこともあります。

心身共に余裕を持って介護を続けるためには、介護サービスや制度などを利用して、介護者・家族の負担を軽減しましょう。ぜひ自分をいたわる心を大切にしてください。ひとりで抱え込まず、介護者・家族自身の悩みや思いを話せる存在がいることも大切ですので、ぜひお気軽に地域包括支援センターまでご連絡ください。

成年後見制度についてご存じですか?

成年後見制度ってどんな制度?
認知症や知的障害、精神障害などの理由で、判断能力が低下した場合に、預貯金・不動産の管理、入院や入所の手続きなどを行い、必要な医療や介護が受けられるよう体制づくりを行うなど、本人の生活や身の回りに目を配りながら、本人を支援する「法定後見制度」という制度があります。また、本人にとって不利益なことがないように保護する目的もあります。
他に、本人に十分な判断能力がある時に、将来の認知症などで判断能力が低下した時に備えて、あらかじめ契約しておく「任意後見制度」もあります。将来、誰に、どのような支援をしてもらいたいかという内容を決めて、契約を結んでおきます。
だれが利用できるの?
認知症や知的障害、精神障害などにより、判断能力が不十分な方です。
施設に入所している方や、病院に入院している方も利用できます。
どんなことが出来るの?
判断能力の程度により支援内容が異なりますが、
  1. ご本人の財産状況などを把握し、財産管理や介護・医療の契約など、ご本人にふさわしい支援方法の計画と収支予定を立てます。
  2. 本人の預貯金通帳などを管理します。年金の受け取りや各種費用の支払いなどをします。
  3. ご本人に必要な契約をします。(介護サービスの利用、病院への入院、施設への入所、家の修繕、不動産売却など)
※支援内容として含まれないもの…直接の介護や看護、身元保証・連帯保証、医療行為の同意 など

成年後見人など(成年後見人・保佐人・補助人)への報酬は、成年後見人など(成年後見人・保佐人・補助人)から申立てがあった場合、家庭裁判所で決定されます。決定された額を、本人の財産から支払います。(本人の財産額によって、報酬額も変わります。)
だれが助けてくれるの?
ご本人にどのような保護・支援が必要かに応じて、家庭裁判所が成年後見人など(成年後見人・保佐人・補助人)を選任します。
主に、家族や親族のほか、法律・福祉の専門家(弁護士や司法書士、社会福祉士など)、法律や福祉に関する法人が選ばれます。
どのように申立てするの?申立て費用は?
家庭裁判所に申立て書類、戸籍謄本、住民票、登記事項証明書、かかりつけ医などの診断書などを整えて、申立てします。坂祝町の場合は岐阜家庭裁判所 御嵩支部が管轄です。
申立て費用は、かかりつけ医などの診断書作成料と、収入印紙(申立て手数料800円・登記手数料2,600円)や連絡用の連絡切手などが必要です。この他、家庭裁判所が必要と認めた場合、医師による鑑定料が必要になります。(令和6年4月時点)

お問い合わせ先

坂祝町地域包括支援センター
0574-25-7575